「あなたが課長なら僕は退職します。」
それは、自分よりも経験も年齢も上の先輩社員から投げかけられた言葉でした。
その瞬間、胸が締めつけられるような衝撃を受けたのを、今でもはっきりと覚えています。
私は、周りよりも経験が浅いまま管理職に昇格しました。
「抜擢されたからには結果を出さなきゃ」
そう自分に言い聞かせ、目の前のノルマを達成することだけに必死でした。それがリーダーとしての正しい姿だと信じていたからです。
でも、違いました。
振り返ってみると、私は「人」ではなく「数字」しか見ていませんでした。成果を出すことにばかり執着して、相手のことを考える余裕もなかった。言葉もきつくなり、周囲への配慮も足りなくなっていました。
そんな私の態度に、周りの人達は距離を取るようになっていたのだと思います。
当時の私は、それが「仕事ができるリーダー」だと信じていました。でも本当は、心のどこかで「高卒の自分」に引け目を感じ、その焦りや不安が、知らず知らずのうちに態度や言葉に表れていたのかもしれません。
あの言葉を投げかけられたとき、何が悪かったのか分かりませんでした。
ただ、何かが間違っていることだけは感じていました。
その答えを探し続けるうちに、私は税理士として独立する道を選んでいたのです。
経営者の多くが、私と同じような悩みを抱えていました。
「社員が思うように動いてくれない。」
「どれだけ努力しても、なぜか伝わらない。」
「会社を良くしたいのに、どこかで噛み合っていない。」
その言葉を聞くたびに、私はあの頃の自分を思い出しました。「なぜ伝わらないんだろう」という違和感を、今度は経営者の方々が社員に対して感じている、、。
リーダーが変われば、チームは変わります。でも、「変わらなきゃ」と頭では分かっていても、行動を変えるのは容易ではありません。だからこそ私は、「財務」だけではなく、「経営者のあり方」や「組織の成長」を支援する事業を立ち上げることに決めました。
「すべては自分が招いている事象だ。」
この言葉を初めて聞いたとき、正直、半信半疑でした。「そんなはずない。自分の努力次第で、結果は変えられるはず」そう思っていました。
でもある日、職場で感じの悪い態度を取る相手に、ふと先に笑顔で接してみました。すると、その人の態度が明らかに変わりました。
それをきっかけに、不思議なことが増えていきました。
クライアントから「あなたに相談してよかった」と言われることが増え、ふとした会話の中で、相手が少し照れくさそうに笑顔を見せてくれるようになり、仕事だけでなく、日常のちょっとしたやりとりでも、私が冗談を言うと、周囲が自然と笑ってくれるようになりました。
今までの私は、「伝わらない」と嘆くばかりでした。でも、伝わっていなかったのは言葉ではなく、私自身のあり方だったのかもしれません。
相手の反応は、自分のあり方次第で変わるのかもしれない。
そう気づいた瞬間、今まで抱えていた違和感がすべてつながりました。経営の課題も、組織の問題も、結局はリーダー自身の在り方に帰結する。
私は、過去の自分が知りたかったこと、そして経営者たちが今まさに必要としていることを、支援していく道を選びました。
財務が整っていても、人が活きなければ企業は成長しません。
会社を動かしているのは、「人と人とのハーモニー」です。
私は、税理士としてただ数字を管理するのではなく、「経営者が自分自身を信じ、組織と調和しながら成長していく」ことを支援する事業を立ち上げようと決心しました。
リーダーが自分の可能性を最後まで信じ抜き、チームとフィットし、信頼のハーモニーを生み出していくー。
今を真剣に生きることで
感謝と調和が生まれる。
自分を大切にすることで、
はじめて人を大切にできる。
自分を信じることで、
穏やかに前へ進める・・・。
「I LOVE」= 私を愛すること。
本当に自分を大切にできたとき、人との調和が生まれ、それが、人と人、組織と組織をつなぎ、企業の成長へとつながっていきます。
目の前のことに愛と感謝の気持ちを込めれば、自分の人生を、自分の意思で生きることができます。
そして、それこそが 株式会社 I L A のコンセプトです。
私は、この想いを持つ経営者を増やし、企業の成長へとつなげていきたいと思っています。そのために、これからも自分を信じ抜き、歩み続けます。